「土を再生できる」だけでは足りなかった。upsoilがベランダでの使いやすさにこだわった理由

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ベランダガーデニングから生まれたupsoil

upsoilをつくるきっかけになったのは、環境問題について考えたことでも、園芸用品をつくろうと思ったことでもありません。

始まりは、私自身が「この土、どうしよう?」と困ったことでした。

趣味で始めたベランダガーデニング。
当時はマンション暮らしで、子どもはまだ小学生。ベランダには植物があり、そのすぐそばには毎日の洗濯物を干していました。

植物を育てることが楽しくなり、鉢が少しずつ増えていく。

そして植え替えの時期になると、必ず残るものがありました。

使い終わった土です。

今も植物を育てている自宅のバルコニー。upsoilの原点には、マンションでガーデニングを楽しむ中で感じた「使い終わった土をどうしよう?」という実体験があります。

使い終わった土です。

「これ、どうしたらいいんだろう?」

調べてみると、私が暮らす大分県大分市では、土は家庭ごみの収集対象ではありませんでした。

ここから、私と土との長い付き合いが始まりました。

土は再生できる。それは知っていました。

古い土をもう一度使う方法があることは知っていました。

根やごみを取り除き、ふるいにかけ、日光に当てて消毒し、足りなくなったものを土壌改良材や肥料で補う。

「それなら、捨てずに使えばいい。」

そう思って、実際にやってみました。

ところが、マンションのベランダでやってみると、思っていた以上に大変でした。

土を広げて、ふるいにかける。

すると細かな土ぼこりが舞います。

すぐそばには、家族の洗濯物。

「洗濯物に土がつく……」

日光消毒をするためには、広げた土を何日も、方法によっては何週間もベランダに置いておかなければなりません。

ベランダは、土を再生するためだけの場所ではありません。

洗濯物を干す場所でもあり、植物を眺めたり、日々の暮らしの中で使ったりする場所です。

土を再生する方法はある。
でも、私の暮らしでは続けにくい。

実際にやってみて、初めてそのことに気づきました。

ベランダの隅に、園芸用品が増えていく・・・

培養土、肥料、土壌改良材、土の再生材。

必要だから買うのですが、数鉢を育てる家庭では一袋を使い切れないこともあります。

植え替えが終わるたびに、使いかけの袋がベランダの隅に増えていきました。

そして、もう一つ気になったのがパッケージです。

せっかく植物を育てて、グリーンのある心地よいベランダにしたのに、その横には色も文字もたくさん入った園芸資材の袋が並んでいる。

「植物のある暮らしを楽しみたいのに、どうして園芸用品が増えるほど、ベランダがごちゃごちゃしていくんだろう。」

そんな違和感もありました。

同じことを考えていた人がいました。

「ベランダでも、土の再生に困らないサービスや商品があったらいい。」

そんな思いを持ちながら、私は初めてビジネスプランコンテストに挑戦しました。

その後に出会ったのが、農学博士の小野先生です。

話をしてみると、小野先生もまた、私と同じところに課題を感じていました。

土は、大切な資源であり、限りあるもの。

そして、今の住環境では、植物を育て続けたくても、植え替えのたびに出る土の処理に困る人がいる。

小野先生は、ご自身の専門知識を生かして、誰でも簡単に古い土を再生できる資材をつくれないかと考え、私と出会う約2年前から、すでに商品開発に取り組んでいました。

私は、ベランダで土の処分に困った生活者として。
小野先生は、土を研究してきた専門家として。

違う場所から、同じ課題にたどり着いていたのです。

「だったら、一緒につくろう。」

二人が同じことを考えているのなら、それぞれの得意なことを持ち寄ればいい。

とても自然な流れでした。

小野先生は、農学博士としての知識を生かし、土をもう一度植物が育つ状態へ整えるための商品開発を。

私は、WebやECの経験と、自分自身が生活者として感じてきた不便を生かし、商品企画やデザイン、どう届けていくかを。

それぞれの得意なことを持ち寄りながら、upsoilの商品化を進めていきました。

土を再生できるだけではなく、ベランダで、本当に使い続けられるか。

ここからは、かつて自分自身が感じていた不便を、一つずつ商品設計に置き換えていきました。

乾燥させる
→ 保存しやすくする

約1割に凝縮する
→ 大きな袋を置かなくていい

ジップ式
→ 必要な分だけ使える

スタンドタイプ
→ 狭い場所でも収納しやすい

シンプルなデザイン
→ 植物のある空間を邪魔しない

古い土 + upsoil = もう一度、育てる土へ。

専門家が考えた「土を再生するために必要なもの」と、生活者として考えた「これなら続けられる」を一つにしたもの。

それが、現在のupsoilです。

土の再生材アップソイル

「環境にいいから我慢する」にはしたくなかった。

土を捨てずに使い続けることは、環境にとって意味のある選択です。

でも、そのために毎回たくさんの手間や我慢が必要だったら、続けられる人は限られてしまいます。

環境にいいから頑張るのではなく、
使いやすいから、自然と続けられる。
そんな商品にしたいと思いました。

土を再生することを、特別な作業ではなく、いつもの植え替えの中へ。

それが、upsoilをつくるときに大切にしたことです。

ベランダから環境を考える。

upsoilには、

「ベランダから環境を考える。」

という言葉を掲げています。

「ベランダから環境を考える。」

この「ベランダ」は、私たちにとって単なるキャッチコピーではありません。

植物を育て、洗濯物を干し、家族が暮らす、ごく普通のマンションのベランダ。

そこで私自身が、

「この土、どうしよう?」

と困ったことが、upsoilの始まりです。

一鉢の植物を植え替えたとき、

「この土、捨てなくてもいいんだ。」

と思えること。

土を再生することを、特別な作業から、いつもの植え替えへ。

そこから、土を捨てない暮らしを広げていきたいと思っています。

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この記事を書いた人

中原 ひとみのアバター 中原 ひとみ アップソイルカンパニー株式会社 代表取締役社長

使い終わった園芸用土の「行き場がない」という自身の困りごとをきっかけに、土を捨てずに再生し、使い続ける仕組みづくりに取り組んでいます。
土の再生材「upsoil」の開発・販売や、使い終わった土の回収・再生を通して、暮らしの中に土の循環をつくることを目指しています。
「土のつづき」では、土や植物のこと、土を捨てない暮らしのヒント、循環の現場で気づいたことをお届けします。

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